「大学祭!?」



「うん、5月にあるんだけどどうかな?」




「え、行っていいの!?行く!行きたい!」




いつものテレビ電話で話してる。
大学祭とは、いわゆる新入生歓迎みたいなイベントでミニオープンキャンパス的な?こともするらしい。
チケットさえあれば保護者や他校からも来場出来るって。




奈那の大学生ライフが垣間見れるなんて超ラッキーじゃん!




「じゃあチケット取っとくね?」って微笑むの反則〜。
模擬店やサークル活動も見れるってさ。




「何かサークル入るの!?」




「うーん……有り難いことにお誘いはいっぱい来るんだけど看護科って課題が半端ないんだよね……入ったとしても幽霊部員になりそうだから懸念してる」




「そっか……」




「あ、でもゲーム同好会ってのがあって若干気になってる…」




「へぇ〜面白そう!奈那、結構色んなジャンルいけるもんね」




「ヒロほどでもないけどね」




「いやいやいや、もうれっきとしたオタクの地位だよ」




「ちょっとそれ酷くない!?オタクじゃなくてゲーマーって言ってよ」




「気にするとこそこなんだ?アハハ…!」




でも俺はわかってる。
本当はサークルとか入ってほしくない。
奈那が入れば自ずと男子が増えるだろう。
奈那目当てで入部してくるのなんか目に見えてる。
モテ方が半端ないから。




そういうのずっと見てきたからどうしても悪い方に想像してしまう。
だからって縛っちゃいけないのも充分理解出来てるんだ。




奈那が決めて入るんなら何も言えないし、むしろ応援してあげたいよ。
けどその裏でモヤモヤしてる。
女子部員が大半を占めてることを切に願いながら。




「あ、でもね、その大学祭までちょっと会えないかも」




「えっ!?マジ…!?」




「うん、一泊研修とかあって週末潰れる…」




「2週間会えないの?」




「その次は寮内での歓迎会で……」




「ガーン……3週間会えない感じですか?」




「ううん、歓迎会は土曜日だから日曜日なら少し会えるかな……ごめんね?」




実質2週間と1日会えないのか。
そんなに忙しいんだ…!?