「ねぇ、ますます可愛くなってない?」
「彼氏の為に可愛くなりたいと思うのはいけないことですか?」
「いえ……むしろ有り難いです。でもそれは俺にだけ見せてください」
「了解」と腕を組んで歩き出す。
嗚呼……この笑顔があれば何でも乗り越えられる。
この体温と歩くスピード。
1週間ぶりだけど随分久しく感じてしまう。
駅に着いてもまだ早朝とあって人は疎ら。
先頭車両に乗ろうとホームを歩いて行く。
土曜日の朝は通勤ラッシュもなくて良かった。
この辺かな?と立ち止まったら奈那が掴んでいた手を引いて大きな柱の裏に連れて行かれた。
こ、これは……完全なる死角。
俺の方が壁側に押し倒されてる。
エヘヘ…と微笑みながら踵を上げて唇が近付いてくる。
柔らかい感触。
誰も見てないだろうけどこうして隠れてのキスは少し大胆にさせる。
奈那からの唇が離れたら壁側に押し返す。
やっと触れ合えた。
ずっとこうしたかった。
抑えていた想いが溢れ出る。
自然と絡む指先。
電車が来るまで……もう少し。
長過ぎて疲れちゃった…?
俯くもんなら下からでも唇を奪う。
止まらない……止まらないよ。
奈那が欲しい。
こんな場所で……おかしくなりそうだ。
徐々に深くなる。
ホームに電車が入って来た。
アナウンスと汽笛が鳴り見つめ合う。
手を取り仲良く乗車して席に着く。
長い間揺られながら一緒に帰るんだ。
誰も居ないから時折隠れてキスもした。
肩に頭を乗せてくる仕草が可愛い。
細い指を握り締めた。
「1週間ぶり〜」と駅に降り立った笑顔。
手繋ぎから腕組みになったけど、この近い距離で独り占め出来てるから良し。
忘れてないよ、玄関入る前のキス。
まだ涼子さんも寝てるだろうから静かに入る。
そーっと部屋に連れ込んだ。
ベットに腰掛けてはにかむ2人。
キャスケットを取った瞬間、半ば強引にキスをした。
首筋に手を添えて激しく味わう。
触れたらもう止まらない。
鼻息だって荒くなっちゃう。
待って…とばかりに唇離してくるから後ろ支えて逃さない。
深く蜜を吸いながらはだけていく。
上を脱いで押し倒したら近付く唇を遮られて……
「ヒロ……激しくしたら声出ちゃう……ゆっくりして」
余裕ないよ……1週間ぶりだもん。
涼子さんだっていつ起きてくるかわかんないし。
やっと会えたのにまだ我慢しなきゃダメ…!?

