「あ……ヒロ、私お手洗い行ってくるね」
「うん、じゃあ俺はここで待ってる」
壁にもたれて立ったまま、今まで撮った写真を眺めて待つことにした。
どれを見ても全部可愛く撮れてる。
俺……今この人と恋人なんだよな………
それってすげぇ奇跡だよな。
時々ふと、夢なんじゃないかって思う時がある。
言いたくて……言えなくて……
もどかしい時間は3年間。
壊す勇気がなくて、失うのが怖すぎて。
でも結局その垣根を越えてくれたのは奈那本人だった。
嬉しかったよ、両想いだって知った時は。
たくさん愛し合って…離れ難くて。
こうやって嫉妬もしてもらえるようになって…なんて幸せ者なんだろう。
俺、もっと頑張らなくちゃ。
奈那に相応しい男になれるよう中身も磨かなきゃ。
って、言ってるそばからナンパされてるー!!
トイレから出てきてすぐかよ!
そんな可愛い子、男いないわけないだろ!
俺が彼氏だよ!とっとと散れ!
断りながらこっちに向かって来てくれてる。
俺も急いで迎えに行く。
「いや、本当彼氏待たせてるんで」
「お願い、連絡先だけ教えて?彼氏居ても構わないから」
何だよ、このチャラい感じ。
肩触んじゃねぇ…!!
無視して行こうとする奈那を強引に前に出てきて足を止めようとする男。
「本当マジでタイプなの、一生のお願い!」
しつこいな!
やっと辿り着いて割って入る。
「なに?俺の女に何か用?」
ようやく俺が目に入って怯んでる。
「わぁ…彼氏登場」とかほざいて逃げて行った。
思わずその場で抱きしめる。
やっぱ1人に出来ない。
「ヒロ……ごめん」
「何で謝るの?奈那は悪くない…」
俺が不甲斐ないの…!
追払うことは出来たものの、ちょっとでも誰かが触れるとか嫌だ。
「だってヒロにそんな顔させちゃったもん…」
「はぁ……もう離れられない、ていうか離したくない…!」
俺だけの奈那だ…!!
って大声で叫びたい。
だから誰一人触んな…!!
ナンパするな…!!

