触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜






「嫉妬……したの」




「えっ?」




「簡単に腕掴ませてるんだもん……ムカつく」




嫉妬…?奈那が…?
ホッとしたのと同時に抱きしめたくなった。
いつも冷静でツンデレな奈那が友達放ったらかしてまで俺に妬いてくれたってことだよね…?
こんなに気持ちぶつけてくれてんだよね…?




キュン…となって握る手に力がこもる。




「奈那……もうしない、されてもすぐ振り切る、彼女居るってちゃんと断る…!」




逆の立場なら俺だってめちゃくちゃ腹が立ってた。
触るな!って思ったはずだ。
俺は……なんてことを………




「それだけじゃヤダ…」




「え…?」




「ここでキスして」




「ここで…?」




カップル喧嘩だとチラホラ視線も感じてる。
人気のテーマパークとあって人も半端ない。




「ウソ……冗談。チカたちは…!?」




再びギュッと手を握ると視線が戻ることも想定内なわけで……
膝をついて少し腰を上げたら唇を奪える。
周りに見られてたって関係ない。
恥ずかしくも何ともないよ。




仲直りのキスでしょ…?
俺にとってはもう泣かせないという誓いのキスでもあるんだ。
さすがに触れるだけのキスだけど。




「俺は奈那のものだよ…」




「バカ……」




そう照れながらもチュッて仕返しのキスしてきた。
あ、やっと笑った。
この笑顔の為なら何だって出来る。
俺の元気の源なんだ。




すぐに皆と合流して一緒に謝る。
「大人数の方が楽しいよ」とチカさんの提案で別行動はナシになった。
いつの間にか宏介はチカさんと、純太はマキさんと仲良くなってる。
宏介はチカさん推しだったから協力してと頼まれたみたいだけど。




たくさんのアトラクションを回って、写真撮りまくって、夢の世界を楽しんだ。




勢いで皆それぞれ耳のついたカチューシャしたりして。
映えショットいっぱい撮って。
途中食べ歩きしたもの皆でシェアして。
いつの間にか3組のカップルが出来上がっていた。




夕方のパレードまで自然と別行動に。




「まさかチカと宏介くんとはね…」




「純太は無理やりマキさん連れ回してる感が……謝っといてね」