「待った?ヒロ……遅れてごめんね?ん…?どういう状況!?」
横から抱きついてきてジッと女子たちを見ている奈那。
えっ……別行動なんじゃないの!?
これはもしや……
「あ……じゃあいいです、写真ありがとうございました」
そそくさと退散していく女子たちに結局連絡先交換出来てなかった純太が泣いてる。
俺も軽くみぞおち殴られた。
「なに、逆ナンされてんのよ」
わわ、やっぱり怒ってる。
いつから見てたの!?
アレ、やっぱり逆ナンだったのかな。
初めてでよくわかんなかったけど、
本当は奈那が来てくれて助かった。
「奈那……奈那?ごめんなさい」
うぅ……超機嫌悪い。
せっかくの女子旅なのに俺が雰囲気壊しちゃった。
チカさんたちにも申し訳無い。
奈那をベンチに座らせて前にしゃがんで平謝りする。
手を握っても目すら合わせてくれないなんて……泣きそう。
周りの目も気になるけど今はそんなこと言ってられない。
全力で奈那の機嫌を取り戻す…!!
「奈那……お願い、許して?ごめん…どうしていいかわかんなくてアタフタしちゃったんだ」
こんなの全部言い訳じみてる。
嗚呼……こんな楽しいテーマパークに来て俺は何しちゃってんだよ。
“何アレ、喧嘩?”
どこかでそんな声も聞こえてくる。
見てられなくなったのか、宏介が来て一緒に弁解してくれた。
「あの、祐翔ちゃんと断ってましたよ?俺らも慣れてなくてすみませんでした」
頭を下げてくれたお陰で奈那の口が開いた。
「ごめん、10分でいいからちょっと時間ちょうだい…」
そう言うと、理解してくれた宏介は俺の肩を叩いて「チカさんたち連れて回ってるから落ち着いたら連絡よこせ」と2人きりにしてくれた。
ありがとう、宏介。
遠くに居るチカさんたちにも頭を下げる。
再び手を握るとやっと目を合わせてくれた。
「奈那……本当ごめんなさい」
「私こそごめん……別行動とか言っておきながら割り込んじゃって」
「ううん、嬉しかった…」

