「それ、後じゃダメ…?」




「したいのはわかるけど少しだけ我慢して…?」




「だってお風呂あがったらもう制服着ないでしょ?」




「え……うん」




「今日で終わりなんだよ?だから……」




「え、まさか制服のまましたい…とか?」




ストレート過ぎる。
でも伝えたいのはそうじゃなくて。
そのまま肩を抱いてベットに座らせた。
戸惑う奈那の目は合わせられないけど、
両手を前で握る。




「もう明日から着ないでしょ?だから……」




意を決して目を合わせた。




「最後は……俺が脱がせたい」




かなり真剣に言ったのにプッと吹き出された。
笑いながら俺の手をブラウスのボタンまで持っていってくれる。




「そんなこと考えてたの?可愛過ぎなんだけど」




「ごめん……ずっとそう思ってた」




「ていうかさ、そしたら絶対やる流れじゃん……もう〜!」




しゃがんだままボタンを外していく。
OKだと思ってたのに3つ目のボタンでストップがかかった。




「脱がされるのは嫌いじゃないけど、無理やりはちょっとなぁ……私の気持ちは無視か……」




「ご、ごめん…!」




思わず手を離した。
あ〜何でうまくいかないんだ。
俯いたらまたクスクス笑ってる。




「ウソウソ、すぐ真に受けるからからかっちゃったゴメン」




首を横に振る。
悪いのは俺だから。




「じゃあ最後くらい脱がされてみようかな…なんちゃって」




「いいの…?」




現金すぎる自分が急に恥ずかしくなる。




「脱がすだけだよ…?」




「うん…」




先にブレザーを脱がせようとした時。
ボタン全部ないのを見て。




「俺もやっぱ第2ボタンってやつ欲しかったな…」




なんて、無い物ねだり。
予約しとけば良かった。




ポケットから出してきたボタン。
奈那の手のひらの上に乗っかってる。




「良かった、死守して。実は取っておきました…なんてね」




その笑顔が眩しくて、
俺のために死守したとか愛しすぎて
迷うことなく唇を重ねてしまった。
ボタンを受け取りポケットにしまう。
そのままキスを続けながらブレザーを脱がせた。
ブラウスのボタンにも触れる。