「いつも無表情で何考えてるかわかんない末永くんがさ、携帯見ててメールひとつで頬赤らめて…すっごく優しい笑顔してたの。なんていうか、ギャップ萌えってやつ?その瞬間オチてた…彼女には誠実で嘘なんかつかなくて、大事にしてもらえるんだろうな〜って」
頭のてっぺんまで熱い……!
いつそんなとこ見られてたんだろ!?
しかもそんなふうに思われてただなんて…!
嬉しいけど……恥ずかしい……!!
メールで顔ほころぶとか、絶対に奈那からのメールに決まってる!!
「へ〜ギャップ萌えねぇ……」
「そ、だから時間かかっても私のこと見てもらえるよう努力する!」
「うわ、本気モードとかウザ〜」
「なんでよ〜!」
バレないよう教室に戻った。
あんなこと聞いといてどう顔を合わせる?
意識しちゃって変に思われないかな!?
あ、でも周りからは常に変だと思われてるか。
とにかく、早めに帰ろう。
なるべく純太たちと一緒に行動して、
話しかけんなオーラを醸し出して………
って、もう目の前に桜井さんのキラースマイルが。
時すでに遅し………
「末永くん、一緒に帰ろう!」
教室の中が一瞬凍りついたような、
時間が止まったかのような。
「嘘だろ」「マジかよ」
「何で末永?」「あいつウザくね?」
周りから嫌でも聞こえてくる声に消えてしまいたくなる。
「ちょっと!変な陰口叩かないでくれる?私が誰と帰ろうが関係ないでしょ」
うわ、やめてくれ。
よりによって桜井さん本人が事を大きくしないでくれよ。
「…な~んちゃって、学級委員っぽく言ってみました、テヘ」
人気のある彼女だから許される行為、
アメとムチ。
ドッと笑いが起きて「バイバイ」が繰り返される。