「ん…」
食後に言わずとも渡してくれる奈那が淹れたコーヒー。
ブラックでちゃんとわかってる。
サンキュ。
しれっと隣に座ってくれるのも嬉しい。
楽しそうにゲームしてる皆を時々一緒に笑いながら過ごす。
親父と涼子さんは車で皆を送り届けてくれた。
片付けを俺と奈那ですることに。
ゴミ係の俺は洗う係の奈那を後ろから抱きしめる。
「ん、終わったの?」
「うん、片付けた」
「じゃあ拭いてってよ」
「うん……その前に」
水道を止めてそのまま奈那にキスをした。
ほんの少し触れて目が合う。
「やっと2人きりになれた…」
「だね……」
「もう我慢の限界…」
再び唇が重なる。
離れても離れてもまた欲しくなる。
このまま離れたくない気持ちがキスに表れてしまう。
「ヒロ、ストップ……洗ってる途中だから」
「うん……」
名残惜しく離れる。
戸惑ってんのバレたかな。
あの瞳……してくれてなかった。
本気でストップかけたんだな。
俺の暴走を止めてくれた。
ガチなやつだ。
食器も片付け終えてタオルを洗濯カゴに入れに行く。
本当、何やってんだろな。
2人きりになったら襲ってしまう。
冷静で居れなくなる。
これからもっと長く離れるのにな。
いや、だからこそくっついてたい。
嫌がっても突き放されても……
洗濯カゴの前でずっとタオルを握ったまま仁王立ちしてたら後ろから優しく触れてくる細い腕。
背中に感じる奈那の体温。
抱きしめ返してくれるとか……愛しさが溢れるだろ。
「ヒロを感じたいのは私の方だよ……」
少し声が震えてる……?
「求めてくれるのは嬉しい……もっと触れたくなる。でも……触れ過ぎたら、離れるの辛くなるよね…?」
声上擦っちゃってるじゃん……
背中越しの奈那はきっと泣いてる。
グスッと鼻の音。
振り向いたら俺……絶対に理性飛ぶ。
ねぇ、どうするのが正解なの……?

