後ろからトントンされて振り向くと小さな女の子が不思議そうに俺を見ている。
ツインテールの可愛い女の子。
「かくれんぼしてるの!?」と目をキラキラ輝かせて聞いてきた。
「あ…いや、これはかくれんぼでは……」
待てよ…?
こんな小さな子にバカ正直に説明したところでわかりっこないし、親に言われたら怪しまれるだけだ。
ここはこの勘違いに合わせるしかない。
「オニにバレちゃうからシーッだよ?」
「ミクもかくれんぼ好きぃ」
「ミクちゃんって言うんだね?」
「うん…!マジマミク…!」
「マジマミク…?あぁ、名字か」
「おにいーたんは?」
「俺…?俺はヒロトだよ」
ニッコリ笑う可愛い女の子。
ママは?って聞こうとしたら去ってった。
まぁ、いいか。
まだアイツ来てないな。
まだだから油断してたら茂みの真ん前でさっきの女の子の声がした。
「ここにヒロトはいましぇん…!」
ウソだろ!マジかよ!
慌てて後ろから「ミクちゃん」と手招きする。
どこにいるかわからないオニに対しての威嚇だったようで、両手を広げて叫んでた。
可愛いけどさすがにそれはやめて〜!
見つかったら本当にヤバいから。
幸い、気付かれてないっぽい。
友達とまだ楽しそうに話してる。
きっとここで待ち合わせなんだろう。
「えっと、ミクちゃん、ママはどこ?」
「あそこにいるよ!」
指差した方向を見ると何人かのママ友?とぺちゃくちゃ喋ってる。
おい!ちゃんと見とけよ!
俺が本当に不審者だったらとんでもないことだぞ!
「え、どの人?帽子被ってる人?」
「ううん、ちがーう」
「1回ママのところに行ってきて」
「なんで?ミク、おにいーたんとあそびたい!」
「おにいーたんちょっと今忙しいんだよね…」
あっ…!アイツ来た…!ガルル…!
今度手握ったら容赦しねぇからな…!
「おにいーたん、ボールとれる?」

