顔を上げた奈那は優しく微笑んでくれてキュンとくる。
一生懸命さが充分伝わってすぐにでも抱きしめたい。




「出していいよ」




小悪魔から天使の笑みーっ!!




波打つまで何秒とかからなくて
全身に電流が流れたかのように絶えた。
あ……奈那……それ…………
ゴクリと喉を鳴らし満足そうに微笑む。
え……?まさか飲んだの……?




「ご、ごめんっ…!うがいして?水持ってくる…!」




慌てて冷蔵庫に走ったら後ろから抱きしめられた。




「何で…?嬉しいのに」




「だ、だって汚いよ…!本当にごめん……」




ミネラルウォーターを差し出す。
濡れた唇……直視出来ない。
今の今まで俺の………




「ヒロは嫌だったの…?」




また服の裾引っ張る。
甘い声にめっぽう弱い。
無言で首を振ったら
「汚くないよ、ヒロの全部が好きだから…」なんて言われたら抱きしめる他ないだろう?




逆にミネラルウォーターを渡された。




「じゃ、ヒロが飲ませて?」




「え…?それって……」




「ヒロからじゃないと飲まない」




何でこういうこと素直に……
しかも最上級の可愛さで言えるんだよ。
胸がギュッて全部締め付けられる。
ドキドキして指先震えて、
その視線に捕まったらどんなに気をつけても“好き”が溢れてしまう。
もう身が保たないよ………




口に含んだ水をそのまま奈那の口に流し込む。
また喉を鳴らし吸い付いてくる。
トロンとした目で「おかわり」とかまた反応しちゃうから……




首に手を回して「もっと…」って煽らないで…?
止まらなくなる。
めちゃくちゃにしてしまいそうで躊躇するのに奈那の舌がそうはさせてくれない。




我慢出来なくなって服の中に手を入れた。




漏れる吐息とか……
心地良い体温とか……
熱帯びた視線とか……
俺の名を呼ぶトーンとか……全部好き。
全部好きだから……壊したくなる。




俺だっていかせたい。
ぐちゃぐちゃになる奈那見てみたい。
椅子に座らせてももの内側にキスする。
徐々に上にキスを降らせて下着に手が触れた瞬間……




車の車庫入りする音と先に涼子さんが玄関の鍵を開ける音がした。




「タイムオーバー……続きはまた今度ね」