触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜





「話したくないって言ってんだよ!離れて欲しいんなら好都合だろ」




「ちょ、ヒロ…!?」




腕を掴まれたからとっさに振り解いてしまった。
身体も心も言うことを聞かねぇ………
真逆の方向へ突っ走る。
キッと睨みつけてこう言うんだ。




「バカにすんのもいい加減にしろよ」




驚いた瞳が次第に揺らいでいく。
泣きたいのはこっちだよ。
余裕なんて1ミリもないガキで悪かったな。
あんな告白聞いて冷静で居れるわけない。




俺と居ると恥ずかしいって言われてる気がした。
堂々と出来ないとか……
わかってるつもりでわかってなかったのかも。
彼氏なのに名乗れなくて他の男に安安と奪われるのを指咥えて見てるなんて俺には無理だ。




こんなに我慢出来ないものなんだ………








「ヒロとはこうなってしまったけど……このまま関係を続けてもお互いを苦しめるだけだし未来とか厳しい目で見られるだけだよね…?今なら間に合うと思う……元の姉弟に戻ろう?」




いつそう言われるか不安と常に背中合わせだった。




「おい祐翔…!お前あんな言い方……って、ごめん」




後を追いかけてきた純太たちも今の俺を見てこのザマだ。
睨みで誰も寄せ付けないようにした。




「祐翔、気持ちはわかるけど……本当に大事なもの見失わないようにな」




宏介の言葉も悪いが今の俺には届かねぇ。
桜井さんたちは奈那の方についてるって。
どうやって帰ったのか覚えてない。
自分の部屋のベットにうつ伏せで倒れたまま真っ暗になるまでそうしていた。




何度かノックもされたしLINEもきてる。
顔も合わせないように皆が寝静まった真夜中にお風呂に入り、水を飲んだ。
起きてから携帯も電源を落としてる。




朝から奈那が話しかけてきても聞く耳を持たない。




「ヒロ……子供みたいなことしないでよ」




子供で悪かったな。
別れ話なら聴かない。
ずっと親の近くに居れば話を聴かないでいいと思った。
ヘタに行動しないはずだ。
精一杯普通の自分を心がける。
親の前では奈那とも話した。
怪しまれないよう努めたつもり。