触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜





たまにそんな顔するよね。
わかって…?空気よんで…って。
俺はまた、それに従わないといけないの?




「奈那にとって俺は何…?」




「ヒロ……怒らないで」




「そんなに俺とのこと隠したいのかよ」




「そうじゃないけど……言う必要もないじゃない?」




「言えば良かったじゃん!俺が居るからもう付き合えないって!なのに何だよ……失いたくないって……どうしようもないくらい好きとか何で言うんだよ…!」




「やっぱ聞いてたんじゃん…」




真っ赤になって肯定すんな…!
聞き間違いじゃなかった。
胸が………痛え。
他の男の前で簡単に泣くな。
隙与えんなよ。




「俺、嫌だから……絶対に別れない」




「……えっ!?」




「ヨリ戻したいとか絶対に認めないっ…!」




「だから違っ……」




ここで無理やりキスする俺は奈那にとってガキっぽく感じるのかな……
聴きたくない……
奈那の口からアイツの話なんて。
こんな一瞬でアイツとの思い出に持ってかれんなよ…!
俺が頑張って塗り替えてやるから。




いつものキスじゃない。
明らかに拒否してる。
身体だって俺と距離を置きたがってる。




「ヒロっ!やめてってばっ……」




嗚呼……そんな顔するんだ。
俺はもう用済みだから……?




「外だよ…?誰に見られてるかわからないのに…自覚してよ」




その上怒らせたみたい。
俺じゃなくてアイツだったらそんなこと言わないくせに。




「あ……ごめん、言い過ぎた……ちゃんと帰ってから話そう?」




コートの袖を摘んで近寄るのは良いのかよ。
何だそれ……話すって?別れ話?
平然と聞く自信ないんだけど?
それこそ家族の前で取り乱すぞ?




スッと手を解く。
一瞬傷付いたような顔するのズルいよな。
次の言葉を飲み込ませる。
でも今はそんな余裕ないから。




「話すことなんてない……」




「私があるの」




「聴きたくない」




「ヒロ……勘違い」




「聴こえなかった?」




「え…?」




荒んだ目を向けたら少しは怯んでくれる…?
言葉を遮るにはこうするしかない。