奈那の姿を見つけるのにそう時間はかからなかった。
石段ベンチに座り話してる。
チクショウ……距離近くね?
遠目に見ても見つめ合っていて親しい仲だとひと目でわかる。
イライラが止まらない。
何を話しているかは聞こえないけど、
明らかに奈那の方から微笑んでいるように見えた。
思い出話でもしてるのか…?
俺に断って行く時も驚いてはいたけど動揺した様子はなかった。
楽しそうに話すなよ……俺以外と。
自分が今、どんな顔してるかわかってる…?
また俺の知らない奈那だ………
クソっ……もう少し近付くか?
気になって仕方ねぇ…!
あっ……!!
手っ!!手っ!!
あんにゃろー手握りやがった…!!
絶対に告白してる…!!
そうはさせねぇ…!!
思わず出て行こうとする俺を皆が体当たりで阻止してくる。
行〜か〜せ〜ろ〜!!
黙って見てたら調子に乗るだろっ!
ほら、何で髪に触れてんだよ!
耳にかけてあげてんじゃねぇ!
触るなっ…!!
頭に血が登るのを肌で感じていた。
奈那の手がヤツの手に重なる。
そのまま下げてくれてホッとした。
立ち上がり頭を下げてる。
断って…くれてんだよな…?
まだ何か話してる……
淡々と話してるように見えて、
奈那の表情が赤らんでいるようにも見えた。
押さえられてる複数の手を解き、奈那の元へ気付かれないよう近付いて行く。
2人の背後に回り少しだけだけど声が拾えるようになった。
その代わり姿は見れない。
顔を出せば完全に気付かれるから。
「失いたくない……」
奈那の震えた声………今にも泣きそうな。
え……?どういうこと……!?
アイツ……何言ったの……!?
「ごめんなさい……どうしようもないくらい好きなの」
ちょっと待って……?
泣いて言うこと……!?
再会して一瞬で蘇るもんなの……!?
ねぇ……今何を想ってる……!?
離れてく……?
俺の元から消えてくの……?
そんなの絶対に嫌だ……!!!

