とっさに身体は動いて奈那の肩を掴んで止めていた。
「おみくじはっ!?」
頭真っ白になって思い浮かんだのがコレ。
今言うことじゃないのは百も承知。
一緒に振り返った男とも目が合った。
「早く並ばないと……楽しみにしてたじゃん」
違う……言いたいのはそんなことじゃない。
でもとにかく止めたくて……行ってほしくない。
他の男と2人きりなんてなるなよ。
「えっと…もしかして彼氏?」
そうだよって今にも喉から出てきそうだったのに……
「え、違う違う……弟だよ」って秒で否定しなくても。
きっと後ろにまだ両親が居たから。
聞こえる範囲内だったから。
ショックだったけど自分にそう言い聞かせた。
「じゃあ、少しだけお姉さん借りていい?」
「えっと、紹介するね?中学の先輩で秋田…幸人さん。それと彼は弟で末永祐翔…あ、だから私も末永なんだけど」
「良かった、下の名前覚えてくれてたんだ?」
何かちょくちょく鼻につくこと言ってくるよな。
元カレって言いたいのかよ。
「宜しくね」って宜しくしねぇよ…!
「元カレだけど」ってやっぱ言いやがった…!
あからさまに動揺してる奈那はあまり俺には見せない顔だった。
「連絡先残ってるの?」
「え…?」
ストレートに奈那を問い詰める。
首を横に振ってくれてホッとした。
だったらこっちからも牽制してやるよ。
一歩詰め寄ると顎引けてやんの。
「連絡先交換はさせないんで、それでも良ければ少しだけなら」
「……キミ、弟っぽくないね?」
「弟です」
「まぁいいや、とにかく借りるね」
「あ、後で合流するから終わったら連絡して」と奈那に言う。
コクリと頷いた奈那の後ろ姿をずっと見つめてた。
本当は少しの時間も与えたくない。
元カレと何話すんだよ。
奈那って呼ばせてたんだ………

