触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜





えっ!?本気で怒らせた!?
出て行こうとする奈那に必死で謝る。
両親に聞かれるとマズイからサイレントで謝り倒す。
待って、このまま行かないで。




情けないけど腰に抱きついて膝まつく。
始めは抵抗してたけど最後はやっぱり優しい。
髪を撫でられたら見上げる顔。
ちょっと……呆れてる?
それでもいい。
許してくれるなら何でもするもん。




頬を抓って怒るけど次の瞬間はフッと笑ってる。
仲直りの時の顔だ…!
顔が近付いてきたから額にキスされるのかと思った。




「私が惚れてるからって調子に乗らないで」




えっ……!?
耳元でドスの効いた声。
出た、奈那のドS部分…!!
ニッコリ笑って言うの…実は最高です。
大好きな裏の顔…!!




私が惚れてるから………って最高の響き。




「とにかく明日は近寄らないでね?」




「そ、そんなぁ……」





奈那が怒ると厄介だ。
おやすみのチューは?って聞けない状況。
さんざんしといてそれ言ったら本気で殴られそうだよね…?




重い足取りで部屋に戻る。
もう近寄れないなんて……地獄だ。
でも仕方ないじゃん。
やっと想いが通じて歯止め効かなくなってるのわかってくれよ。




(ごめんなさい)
メールでも謝った。
なかなか既読にはならなかったけど携帯が鳴るとすぐに正座して開く。




(もう怒ってないよ)
(ただ、)
(親が居る時は部屋以外ではやめよう?)




(わかった、絶対に守る)




(じゃあおやすみ)




(おやすみ……のチューは?)




メールだと顔が見えないから反応がわからない。
でも口では聞けないことをサラッと伝えることが出来るわけで。
既読はついてるからそっと部屋を出る。