触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜





「もう誰も居ないよ……2人きりだから」




「うん……でも口移しとかしたら……ヤバいよ」




「どうヤバいの…?」




真っ赤に染まる頬と揺れる瞳は俺だけに向けられたもの。
熱帯びた視線に捕まったらもう勝てない。




「私が止まらなくなる……」




何だよ、いちいち可愛い反応………
口に含むか悩んでる……?
だったら手伝ってあげる。
コップに手を添えて奈那に飲ませる。




「止まらなくなってよ……エッチな奈那が見たい」




コップを置いたらゆっくりネクタイを引っ張られ唇を重ね合わせた。
首の後ろに手が回り固定されたら口の中にオレンジは広がる。
今までで一番美味しいオレンジジュースだ。
一滴残さず受け取る。




「もっと欲しい……」




お願いも徐々にエスカレートしていく。
「ん……っ」と横から垂れた滴を唇が這う。
ブラウスのボタンを上から外して完全にスイッチの入った俺。
中に忍ばせる手をわざと止めてくるけど
「ここじゃヤダ…」って煽るのはしてもいいって合図だよね。




だからまたお姫さま抱っこしちゃうね?
恥ずかしがって可愛い。




「奈那の部屋でいい?」




「…………うん」





電気もつけず暗闇の中、遮光カーテンの隙間から入る明かりだけで求め合う。
ベットに降ろしたら豹変するのズルい。
さっきよりキスも大胆になって……





「あ、鍵閉めなきゃ」




服を脱ぐ前に気付いて行こうとしたらキスで止めないでよ。
離してくれないんだもん、ヤバいって。




「まだ帰って来ないよ……」




わかってるけど………唇を奪って何も言わせてくれない。
あっという間に俺も脱がされてる。




「誘ってきたのヒロなんだからね……」




「わかってる…」




奈那からのキスの嵐が気持ち良くて酔いしれる。
ヤバい……これじゃ骨抜きだ。
全然リード出来ないっ…!