触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜






「あー!奈那さんにあげようとしたのに!」




「百年早ぇよ」




睨み合いのピリピリしたムードなのに
「どれどれ?あ、本当だ美味しいー!」ってそのお菓子を手に取って食べる天然ぶり。
ちょっと待って、純太の横に行かなくていいから…!




「あ〜俺が食べさせてあげたかったのに…」とわざとらしく項垂れる純太に。




「あ……ごめん、そういうのヒロ以外とはしないって決めてるから」




はっきりそう言ったから一瞬シーンとなった。
ヤベ……泣きそうだ。
今すぐ抱きしめたい。
嬉しすぎて耳まで真っ赤だけど。




「ヤバ……奈那先輩カッコ良すぎる」




桜井さんの目がハートだ。
「純太、潔く諦めろ」と宏介がなだめてる。
あ〜もうウザいから泣き出すな!
奈那が頭なでなでしてどうすんの!
余計調子に乗るから!




「うぅ……何で祐翔なんすかぁ……?俺ずっと憧れてました……悔しい」




「アハハ、そうなの?ありがとね」




「こいつ、めっちゃ束縛野郎ですよ?スケベだし」




どさくさに紛れて悪口だな。
そうだよ、お前が渡してきたあのDVDがきっかけで両想いになったなんて言ったらどんな反応するだろ?




「うん、その節はどうも…」って奈那…!
まさか言わないよね?
キョトンとしてる純太なんて放っておいていいから。




「でも私も束縛するしヒロほどスケベではないけど……求められるのは嬉しい、かな」




奈那……もう充分です。
何もかも真面目に答えなくていいから。
そういうの、俺だけに言ってよ。
発言がいちいち大胆過ぎて逆に皆が真っ赤だから。
そこも天然なの…!?




「うわ〜ん…!でも良いやつなんだよー!」




俺のこと、上げるか下げるかどっちかにしろ!
「知ってる」って即答してくれたのも聞き逃さなかった。




「帰るよ!みんな!」




「えっ!?」




桜井さんの号令で早々と後片付けが開始される。
まだまだ居座るだろうと思ってたから拍子抜け。