触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜





体育館で全校生徒が集まる終業式。
チラッと目が合っただけでちょっと優越感。
他のクラスの野郎どもが奈那を見つけては可愛いとか綺麗だとか聞こえてくる。




前まではいちいちムカついてたけど今はわかってんじゃん…って同調。
心の中で(知らないと思うけど俺の奈那だから手出すなよ)って毒吐いてる。




え、隣座ってるの男子じゃん。
デレデレしながら話しかけやがって。
奈那は普通に返してる……
別に塩対応でもなく……あ、笑ってる。
何話してるんだろう?




脇腹に肘てつを食らう。
隣の純太が「お前気にし過ぎ」って、
悪かったな。
余裕出てくるのかな?って思ってたけどやっぱモテるからそうもいかないみたいだ。




「まぁ、通じ合えたんだからそこは信じるしかないんじゃない?」




純太らしからぬアドバイス。
静観の目で見ると「でも俺はまだ認めてないからな!」だって。
そういや最初から奈那推しだったもんな。




「悪いな」




「うっせ!屁こいて嫌われろ!」




「そこの1年生、静かに!」




式典の進行を任されている教頭先生からマイクでお叱りを受ける。
思わず立ち上がり謝った。
ヤベ、目立ってどうすんだよ。
奈那の方を見たらこっち向いてた。
クスッと笑われたのに嬉しくてニヤけてしまう。




「気持わりぃ」と言われても何とも思わなくなる。
とにかく今は早く2人きりになりたい。
朝からキスはしたけど……もう欲しくなってる。
耐え難いこの環境。
校長の長い話が苦痛で仕方ない。




やっとのことで終わり3年生から退場する時も。
ふざけて純太が奈那に向かって両手を振って目立とうとする。
バカ…!と阻止しようとしたけどバッチリ奈那と目が合ってフリーズ。




ていうか1年生も2年生もほとんどが退場していく奈那を見てるんじゃないかって思うほど皆が横向いてたよ。
その中で俺だけを見てくれてたならすげぇ嬉しい。




フッと口角を上げて笑った姿が神々しく見えた。
「こっち見て笑ってくれた」って純太は騒いでるけど俺を見てたんだよ、バーカ。
ま、言うとまたヒートアップするから言わないけどな。