「え、いつ!?どこでそれ感じてたの!?」
「って何であんたが食いついてんの!」
だってそんなの微塵にも感じなかったんだもん。
死ぬほど悩んだんだからな…!
「ありがとう、お陰で自分に正直になれたわ…」
「これから応援してます…!あ、口は堅いんで口外することは誓ってありません」
「ありがとう」
「で、で、で…!!奈那先輩にひとつだけ聞きたいことがあるんですけど」
ん…?両手合わせてお願いポーズ…?
めちゃくちゃ目を輝かせてるけど何を聞くんだ…!?
「ど、どうしたの?」
「どうだったんですか?ヒロくんとの初体験の感想は…?」って耳打ちしてるのほぼ丸聞こえだからな。
ボッと真っ赤になる奈那は
「えーっと…」って濁してる。
言わなくていいよ、そんなことは。
「ヒロくんに聞いても幸せ過ぎて最高…としか言わないから奈那先輩はどうだったのかなって」
「俺がいつそんな感想言ったよ!」
本気にしちゃうだろ。
まぁ、仰る通りですけどね!!
「初めてじゃないでしょ〜?奈那先輩は」
うっ…!
人が気にしてることをズバズバと……
怖くて奈那の方見れない。
わかってたことだけど……その、
上手…だったし。
「えっと……ほぼ初めて、かな」
「えっ!?どういうことですか!?」
急に居心地の悪くなった俺の服の袖を引っ張る手。
ゆっくり奈那の方を見る。
「ちゃんと話すから聞いてくれる?」なんて言い方ズルい。
頷くしかないじゃないか。

