「ヒロ…?私以外と…しないで?」




理性が音を立てて崩れ落ちていく。
奈那の熱い視線も余裕がなさそうだ。
額を寄せ合い互いの熱を下げようとするけど……




「キスもHもしないで…」




もう無理だ………




キスしようとしたら奈那の手がそれを止める。
「まだ終わってない…」って。
まさかのここでストップだなんて酷過ぎる。




「ヒロの初めて…私が貰っていい?」




手で口を覆われたまま目を見開く。
嘘だろ……?
これ、また夢なんかじゃないよな?
でもさっき太もも抓ったら痛かった。




「ヒロが好き……好きなの」




また頬に伝わる涙が落ちる時。
真っ直ぐな想いがジワジワと波打って俺の中に入ってくる。




「私が…ヒロの初めての相手じゃダメ…?」




ダメなはずがない。
心臓の音が鼓膜に鳴り響いてる。
本当に奈那の言葉なの…?
俺に向けての…?




「いいの…?もう、止まりそうにないよ?」




コクリと頷く奈那の手を解く。




「ていうか奈那とじゃなきゃ考えられないから……その、貰ってください」




プッと吹き出す奈那。




「初めてで下手だろうけど…許して」




「いいよ、その代わり誰より愛して…?」




「了解…」




どちらからともなく唇を重ねた。
奈那が……俺を求めてる。
甘噛みも吐息も全て愛おしい。
俺も頬に触れ髪に触れ…止まらなくなる。




奈那が溢れて……俺、どうしたらいいの?
ずっとこうなることが夢だった。
この手の中に居ることがまだ信じられないくらい。




奈那………奈那………好きだよ。



もう……離さない。