午前中頑張って昼過ぎに帰って来た。
道中はどんな話をしたかなんて覚えてない。
場を繋げようとたくさん喋ってた気がする。
空回りしてなきゃいいけど。
「明日ちゃんと空けてくれてる?」
「へ?あぁ……うん」
明日は俺の誕生日。
予定は入れてない。
その日は譲れないと死守してくれたけど
どんな一日になるんだろう?
「楽しみだね」といつもの笑顔なのに少しだけ距離を感じてしまう。
何を言ってもどう足掻いても、俺と桜井さんが付き合ってるという事実は消えないから。
「楽しみにしてる」
なのに口から出るのはこんな言葉ばかり。
優しく髪まで撫でて、触れたい気持ちが抑えきれないこの状況……
もうどうすればいいのか八方塞がりだ。
リビングに奈那を残して部屋へ上がる。
疲れた身体はそのままベットにダイブ。
こんな気持ちのまま誕生日なんてついてねぇよなぁ………
夕方、珍しくドアがノックされる。
出ると涼子さんで
「お客さん来てるよ?可愛い女の子」
言ってるそばからニヤニヤ顔。
ヤバい、何か勘違いされてるっぽいし、来るんだったら桜井さんしか居ないって頭によぎった。
ドドドッ!と勢いよく階段を降りていく。
リビングに居た奈那と目が合ったけど無言で玄関に向かう。
案の定来てたのは桜井さんだった。
ニッコリ笑って「よっ!」てノリが軽い。
後ろから涼子さんが。
「あがってって言ったんだけど」
「いえ、本当すぐ帰るんでここで大丈夫です」
2人きりになってからプレゼントを渡された。
「え、本当に!?」
「あげるって言ったじゃん、1日早いけどおめでとう」
「ありがとう」
「へへへ、有言実行〜」

