触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜





同じテーブルに座り本を読む。
隣ではスラスラと書く心地良いシャープペンシルの音。
奈那と一緒に居られればどこだってオアシスだ。




時折伸びをして休憩を挟む。
集中してる時との緩急に脱帽するよ。
ただただ尊敬の念だ。
「ん……」と手を差し伸べる。




「え?」




「手出して」




言われた通り素直に出す奈那の手のひらを表にし、ほぼ真ん中あたりをグッと押してみた。




「痛い?」




「う〜ん、痛気持ちいい」




5秒間、ゆっくり刺激しながら続けて押す。




「労宮っていうツボらしい、リラックス効果があるんだって」




「へぇ〜、あ……今の痛い」




「ごめん…」




「ヒロさ……最近よくこういうスキンシップ的なことたくさんするようになったけど……まさかワザと!?」




「えっ…!?」




急に何言い出すの……?
普通で居れなくなるでしょ?
たまにストレートに言ってくるから
俺の心臓はもたない。




「私がひよりちゃんの立場だったら、ヒロがこういうことしてたりするの嫌かも」




何でここでひよりちゃん!?
そっか、彼女だって認めたからだ。
奈那の目の前で言っちゃったんだった。




「いくら仲の良い姉弟だとしてもね……私もやり過ぎる時あるから気をつけるね?」




「やり過ぎるって?」




「え…?」




触れてる手を引き寄せてしまう俺は
いつまで弟なのか……
どうやったらその枠から抜け出せるのか……
わからないからこうして求めてしまうのに……




「俺って何?やっぱ永遠に弟?」




一瞬で顔色が変わった。
越えちゃいけないボーダーラインだったか……
周りに人だって居る。
声も最小限小さくして気付かれないようにしたつもり。
でもついカッとなって言ってしまった。




こんな時、奈那はヒロとは呼んでくれない。
ただ困った顔するだけなんだよね。
またふりだしか………
掴んでた手をパッと離す。




「なーんてね!冗談だよ、真に受けないでよ」




精一杯普段の自分を演じてみた。
自然と笑えてるよな…?




「うん……わかった」




「シスコン……卒業しねぇとな?」




力なく笑う横顔と声だけの返事。
繰り返し流れる時の中で何度目かの挫折と煩悩。
そろそろ学習しようか、俺……………




どんなに好きでもこの笑顔曇らせちゃダメだよな。
一瞬垣間見た顔つき……困ってたけど
今にも泣きそうだった気がするのは思い過ごしか?




俺があのまま暴走してたらどんな言葉が聞けただろう。
泣かせてしまうのか……?




結局、フラれてしまうんだろうな………