触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜






少しして席を立つ奈那。




「私まだこの後勉強するけどヒロは帰っていいよ?」




「え、何で?」ってすぐ聞き返してしまう。
気を遣って言ったのは理解出来るけど切り捨てられた気がした。




「あ、私たちももう少ししたらカラオケ行くんでお暇しますよ?」と桜井さん。
俺も立ち上がり「待ってるよ」って言ってしまうのはまだ繋がってたいから。




「そ?じゃあ……さっきのとこに居るね?もし帰るならメールして」




いつも通りの関係に戻れてるよな…?
桜井さんと友達にもバイバイして先に行ってしまった。
すぐ頬を抓られて座らされる。




「イテテ…!」




「あんた顔に出すぎ…!好き好きオーラ出しまくってんじゃないよ!このシスコンが!」




あれ?お友達の前でもそうなの!?
斉藤優里ちゃんだっけ?
面倒くさそうに経緯説明しないで?




「うわ〜血縁関係はないとはいえキツい状況ですね」と同情されてしまった。




「さっさと告白も出来ないチキン野郎なんだけどね?」




一瞬言おうとしたよ…!!
それ遮ったのそっちだよね!?
結果、言わなくて良かったって思ってる俺は仰る通りチキン野郎ですけど!!




「でもこの恋、応援するって決めたんだ〜仮にでも好きになった男だよ?幸せになってもらいたいじゃん?」




「え、元カレ全員と連絡断ち切るくせに!?」




「………優里、ちょっと黙ろうか」





正直そこまで思ってくれてたなんて知らなかった。
本当、感謝しかないよ。
友達2人でニヤニヤしながら
「奈那先輩絶対妬いてたよね?」って言ってるけど果たして合ってるのだろうか。




「ありがとう…!」




しっかりと頭を下げる俺に
「その恋実ってから言ってくんない?」とまで言わせてしまい不甲斐ない。




「ていうか別に焦んなくてもいいかもね」




「え…?」




「大切にしたい気持ちもわからなくはないから」




「うん……」