あまりにも進み過ぎて頭がクラクラする……
奈那の大胆なセリフと色気に圧倒されてぶっ倒れそうだ………
「ヒロ……?」
ヒロ………ヒロ………………
ヒロ……………
徐々に奈那の姿が歪み出して
ゴツン…!!と頭に何かがぶつかった気がした。
そこで目が覚めた。
ぼやけた世界が徐々に明確になっていく。
「祐翔くん!?大丈夫!?」って涼子さんの声。
アハハハ…!と笑ってるのは奈那…!?
頭がぶつかったのは床で、どうやら俺はソファーで寝てたらしく寝返り打って落ちたみたい。
逆さまだった世界は起き上がることで元通りに。
「え………俺、寝てた?」
「うん、私が帰って来た時には気持ち良さそうに寝てたわよ?」
「私が降りてきた時も寝てたよ?ニヤニヤしたり眉間にシワ寄せたり忙しそうでかなり面白かった〜」
「そ、そう……いつの間にか寝ちゃってたんだな」
ヤバい……あんなリアルな夢。
俺、相当意識してんじゃん…!
またしても無意識に妄想が暴走してるだけなのか!?
夢と現実がごっちゃになってて見境つかねぇ。
「どんな夢見てたの?」って覗く顔とか可愛すぎて直視出来ない。
あの口が弟やめていいなんて言うわけないよな。
声に出してやめていいか聞いてしまったから都合の良い夢見ちゃうんじゃんか。
頭冷やそう…………
あ、ていうことは…………
チラッと見るとバッチリ目が合う。
変わらない笑顔を向けてくれる。
じゃあ………バレてないんだよね?
俺がキスしたこと………
弟やめていいか聞いたこと………
ちゃんと寝落ちしてくれてたんだよね………?

