「仕方ねぇ、お前らも来い」
純太と宏介も連れて奈那の友達の元へ。
「わ、お友達もキレイ」とほざく純太を睨みつける。
「あれー!弟くんじゃん」
「本当だ、ヒロくん!奈那がいつも口にするから名前覚えちゃった」
「ちょっと…!チカ!」
慌てる奈那も可愛い。
どんな話してたのか気になるけど
やっぱ嬉しさが勝つ。
どさくさに紛れて奈那の友達とも仲良くなろうとヨコシマな純太たちはさて置いて。
「俺ら、ボディーガードするんで」
電車が到着後、奥の扉まで押されながら乗り込む。
純太も宏介もちゃんと盾になってる。
脂ぎったサラリーマンなんかに指一本触れさせねぇ!
壁側に立たせて自然と壁ドンしちゃってる。
ドンと押されて顔が近くなった純太はひたすら「すみません」と謝ってた。
宏介はわかりやすいほど耳まで真っ赤だ。
そういう俺は真っ赤になってる奈那に壁ドンしたまま次の駅でまた押され、その反動で前髪に唇が触れた。
びっくりしたのかこっちを見上げるから至近距離で目が合ってお互い顔から火が出そう。
お前……その上目遣いヤバいだろ。
「狭いけど我慢な?あと二駅だから」
「うん……」
もみくちゃにされやっと最寄り駅に着き解放された俺たちはすでに疲れ切っていた。
「なんか、今日はいつもより混んでたね」
「本当助かった。ありがとね?」
友達二人に礼を言われ、学校までの道のりを歩いてく。
サッと隣に立って奈那に耳打ちする。
「姉貴からのありがとうは?」
ていうか、まだ真っ赤なんだけど?
可愛すぎかよ。
「うん、ありがと…」
「ん、髪食ってる」
髪に触れて照れ隠しで頬を優しくつねった。
「もう…!」と怒った顔見たくてやってんだよ。
って、つい意地悪してしまう俺は……

