きしむベット。




荒々しい吐息。




重なる身体。




握り合う手と手。




決して誰にも言えない秘密を抱えたまま
許されないことだと理解しながら
それでも二人は身を焦がしあった。




「奈那……」




なんて顔すんだよ……
止まらなくなる……
快楽の波が押し寄せるたびに
ギュッと俺にしがみついてくる。




それが可愛くて……色っぽくて……
壊したくなる……
我慢してる声聴かせて……




「ヒロ……っ!」




名前を呼ばれるたびに愛しさが増して
何もかも支配した気になって
「もぅ無理だよ…」って泣くまでいかせたくなる。




きっかけは奈那からだった。
それが唯一の救い。
じゃないと頭がおかしくなりそうだったから。




あの日の夜、初めて向き合ってくれて
間違いなく俺の住む世界は色を変えた。
この手を掴んだこと、
後悔してないって言ってくれた横顔。
姉の顔から一人の女になる瞬間。




全てが中心になっていく。




触れていない時、俺が居なくても何とも思わないって顔するなよ。
その手を引っ張り部屋に閉じ込めたくなる。
今すぐベットに押し倒して俺じゃなきゃダメなんだって身体に教えたくなる。




親の前で完璧に演技出来てる奈那を見習うどころか、ぶち壊したくなってる俺を軽蔑するか…?
ガキだって呆れて離れていくか…?
奈那から近付いてきたくせに。
お前の色に染めたくせに。




もう、戻れないって………




奈那だってそうだろ……?




そうだよ、って……




その眩しい笑顔で言ってくれよ………