沈黙の歌姫


「かいとぉぉー」


生え際2センチくらいが茶色くなっている金髪の男の人が海音に抱きつく。


「柚斗がプリンってバカにするー」


ふざけた泣きまねをしてみんなの笑い声がする


『うるせーなぁ。暑苦しいから離れろっ』

そのとき、抱きついている彼と目が合う



「わっ!!もしかして……噂のプリンセス??」


プリンセス……か?


「プリンセっスぅー」

なんて言っておちゃらけてる


『湊うるせえ。マジでちゃんと紹介するから、黙れ』


海音の真面目な声にさすがに湊さんも静まった


『結歌おいで』


中に入れていなかった私に海音が手招きする


恐る恐る一歩踏み込むと、そこには全員高校生らしき男の人が4人、女の人が2人いた。

その中には一希さんの姿もある


みんなの視線が私に集まる