沈黙の歌姫


『他のは生活用品だから、俺たちのものだけど、これは俺からのプレゼントだから、結歌のものね』


そう言って順番がきたレジに出す。

こうゆうとき、いいよとか遠慮する言葉も、ありがとうもすぐに伝えられないのがもどかしい。


精一杯の感謝を込めてニコッと笑った



買い物を終えて、少し遅めの昼食をとるためファミレスに入る


ファミレスに来るのなんてお母さんが生きてたとき、家族3人で行って以来だった。



一緒に来る人もいなかったし、一人で来ても注文できないから。



『結歌どれがいい??』


メニューをみて、すっごく美味しそうだったパスタを指さした


『それめっちゃ美味いよ。俺もそれにしようと思ってたとこ』


ピンポーン

『このパスタ2つお願いします』


慣れたようにパスタを注文する海音

「かしこまりました」


普通ならなんてことないことかもしれないけど、私にとってはすごく新鮮で、嬉しいことだった