沈黙の歌姫



『とりあえず座って』

ソファに腰をかけると、思った通りふかふかで座り心地は最高だった。


ちょっと弾みをつけてぴょこぴょこしてみる。


『ふっ。楽しいか?』


缶ジュースを2本持ってきた彼は笑いながら私の隣に座った。


恥ずかし…子供みたいにはしゃいじゃった。


『とりあえずちゃんと話さないといけない事があるから聞いてくれ』



そう言って彼はジュースを差し出す。

彼の顔はさっきと違って真剣そのものだった。

“ありがとう”と“うん”どっちもの気持ちを込めて頷きながらそれを受け取った。