彼はあの1番威厳を感じさせられたドアにカードキーをかざして鍵を開ける。
『俺しか住んでねぇから安心しろ。いやむしろそっちの方が安心出来ねぇか』
そう言ってドアを引く
そんなふうに言われる方が安心出来ねぇよって…。
“お邪魔します”心の中でそう言いながら中に入る
広い部屋に大きなテレビと大きなテーブル、見るからにふかふかなソファ、本当にそれだけ。モノトーンでまとめられた殺風景なリビング。
本当にここに住んでるのかと疑うほどに最低限のものしか置いてなかった。
『何もねぇだろ。あんまりここに帰って来ねぇから。だから自由に使え。必要なものは揃えてやるし』
ここに帰ってこなかったらどこに帰っているのだろう。ご両親がいるところかな
