沈黙の歌姫


「海音?」

右側のドアから出てきたのは、綺麗な銀髪で優しそうな顔の男。

「その可愛い子が?」

『ああ』


きょとんとした顔でたずねた男に彼は答える。



可愛い子??

今度は私がきょとんとした顔で、後ろに誰かいるんじゃないかと思って振り返る



「あははっっ!!君のことだよ」



え…私!?


「自己紹介もなくごめんね。俺は佐藤一希(さとうかずき)一応、狼義の副総長やってるから…よろしく!」




狼義…?副総長…?



『おい』

「あ、まだ言ってなかった系?すまんすまん。でも早く教えてあげろよ」


『分かってる。行くぞ』


何が何だか分からないまま手を引かれる


「こいつ口悪いけど仲良くしてやって」


とりあえずお辞儀をして通り過ぎた。