沈黙の歌姫



ビビりながらバイクに乗って着いたのは駅前のタワーマンション…

ここ…?


『ここ俺ん家』

!?


え…俺ん家って…んん???


驚く私にお構い無しで入口へ向かって行く彼。

ちょっ…

ここで引き返すわけにもいかなくて、あわてて後ろから追いかける

彼の横に並ぶと満足気に笑みを浮かべ、私の手を取った



タワーマンション…彼の家は相当なお金持ちなんだろう。今家族は…?兄弟とかいるのかな…。


ピッ。彼がカードキーをかざしてエレベーターの扉を開ける。


ん…?何だこの違和感。


!?タワーマンションなのにボタンは開閉と28、29、30の3つのボタンだけ…。それによく考えればエレベーターにカードキーってのも…。


そして、彼は迷わず30のボタンを押した。