沈黙の歌姫



『つうか、俺の事知ってる?』

私が首を横に振ると、ちょっとほっとしたような顔をしていた。




でも、彼の瞳はなんだか辛そうで、深い悲しみが感じられた。

同じような瞳をみたことがある…そんな気がした。






『もう遅いから帰るぞ。送る。』



とっさに首を横に振ると


『こんな時間に女を1人で帰らせられるかよ』


言い終わると彼はもう公園の外へ歩き出していた。潔く送ってもらうことにして、バックを持って彼を追いかける。