『ごめん。そんな暗い顔しないで。俺が勝手に嫉妬してただけだから。』


そう言って頭を撫でてくれる海音の手も声もいつもの優しい声だった。


『つい先週まで俺が隣にいないとダメだった結歌が、俺がいないところで楽しそうにしてたのに嫉妬した。結歌が成長したことだし、俺が1人にしたのに。ごめん。』


海音は何かあるとちゃんと言葉にして全てを伝えてくれるから嬉しい。


反省してしょんぼりしたような顔をするから、思わず手を握ってしまった。


『ありがと。俺マジで結歌のこと好きだわ。』


ほらね。こんなことまではっきり言うの。

だから恥ずかしい時も多々…


部屋は薄暗いからきっと顔の赤さには気づかれないけど、手汗が伝わってしまいそう。


『おやすみ』

さっきよりちょっと強く手を握って応えた。

おやすみって



海音のことが好き。

それが、恋なのかまだ分からないけれど。