「ちょっと待ってろ。まことは中にいろよ?」
後部座席の傘を取ると、車から出ようとするお兄ちゃんの腕を掴んだ。
「怖いよ。まずは警察に連絡して中で待ってよう?」
「もしかしたら怪我してるかもしれないし、様子を見てくるよ」
「ぶつかってきたのはあっちじゃん。変な人だったらどうするの?」
全然知らない後ろの人より、私はお兄ちゃんが大事だよ…
制止する私の手を安心させるようにポンポンとして、お兄ちゃんは車から出て行った。
「お兄ちゃん!」
雨は小降りになったけど、はっきりと見えない後ろの様子が気になって、私も傘を手にとり外に出た。
回り込んで見ると、中の人がお兄ちゃんに傘を差してもらいながら出てくるところだった。
青白い顔の、20代半ばくらいの女性だ。
後部座席の傘を取ると、車から出ようとするお兄ちゃんの腕を掴んだ。
「怖いよ。まずは警察に連絡して中で待ってよう?」
「もしかしたら怪我してるかもしれないし、様子を見てくるよ」
「ぶつかってきたのはあっちじゃん。変な人だったらどうするの?」
全然知らない後ろの人より、私はお兄ちゃんが大事だよ…
制止する私の手を安心させるようにポンポンとして、お兄ちゃんは車から出て行った。
「お兄ちゃん!」
雨は小降りになったけど、はっきりと見えない後ろの様子が気になって、私も傘を手にとり外に出た。
回り込んで見ると、中の人がお兄ちゃんに傘を差してもらいながら出てくるところだった。
青白い顔の、20代半ばくらいの女性だ。
