去って行く後ろ姿を見ながら姫ちゃんが呟いた。

「あいつ、なかなか、かっこいいな」

わたしは自分の耳を疑った。噓、姫ちゃんが男子をかっこいいなんて言うなんて、初めて聞いたよ。姫ちゃん、早見君の事、好きになったの?もし、姫ちゃんが早見君の事、好きならわたしは早見君を好きになら様にしよう。

「姫ちゃん、早見君に惚れたの?」

わたしは無意識のうちに姫ちゃんに尋ねていた。

姫ちゃんは何を言ってるんだって呆れた表情をした。

「ばかか、お前は、わたしが男を好きになるわけないだろうが」そう言った。

「男を好きにならない?」

わたしが不思議そうな顔で姫ちゃんに聞くと、姫ちゃんは慌てた様子で言い直した。

「わ、わたしがそう簡単に惚れるわけないだろ」

そうだよね、姫ちゃんは凄い美人だし、一杯告白されても誰とも付き合わなかったもんね。中々姫ちゃんとつり合いとれる人は見つからないよね。姫ちゃんは凄い理想が高いんだろうなと、わたしは納得した。