腰の抜けたわたしを見て姫ちゃんがわたしを抱きしめる。

「ごめん、ほんとごめん」

姫ちゃんは泣きそうな声でわたしに謝った。姫ちゃんは悪くないよ。わたしこそごめんなさい。彼をかっこいいなんて思って、姫ちゃんはわたしのために身体を張ったのに。わたしはなんて恩知らずなんだ。わたしは精一杯の勇気を振り絞って彼を睨み付けた。

「いや、ちょっとやり過ぎたのかな」

彼は頬をポリポリとかいて「あのな、悪かったよ。」そう言うと彼は両手をさしだしてへたり込んでいるわたしたちを引っ張りあげた。

「悪かった、少し熱くなりすぎた」

姫ちゃんが素直に謝った。わたしはまだ恐怖で足腰もガクブルで声を出す事ができなかった。