わたしはこの登校の短い時間で姫ちゃんに説明するのは無理だと諦めた。でも、姫ちゃんにはすべてを話そうと決意した。親友を信じないで誰を信じる。怪訝そうな顔をみせる姫ちゃんの手を掴んでわたしは真剣な表情で言った。

「姫ちゃん、あのね、後で話すね」

急に真面目な顔をしたわたしの変化をくみとり「分かった、どこかが悪いとか、おかしくなったとかじゃないんだな?」

「うん」

おかしくなったって・・・ひどいよ。でもそうみえるよね、やっぱり。でも香りさんを何とかして姫ちゃんに見せる事が出来れば何とかなるよね。

駅について電車に乗ると同じ制服を着た生徒が沢山いた。うわーみんな可愛いな。そのかわりに勉強ができそうには見えないけど。あの子なんて凄い化粧品の臭いがする。あの子はスカート短すぎだよ。でもやっぱり姫ちゃんがこうしてみるととびぬけて美人だよ。喋ると二割減なのが残念。