わたしはぶつけた頭をそっとさする。コブができてる。ほんとについてない。

「どうやら戻れたようね」

どこか聞き覚えのある声が天井から聞こえる。わたしは上をそっとみると、空中で横に寝ている香りさんを見つけた。

嘘でしょ、夢じゃ無かったの!て、ほんとに戻ってるの。わたしは辺りを見回して、自分がどこかにいないかさがす。

「なにキョロキョロしてんだよ」

不思議そうな顔で姫ちゃんが尋ねてきたのでわたしはうっかり「いや、あのね、幽体離脱したわたしがどこかにいないか探してるの」

それを聞いた姫ちゃんはげんなりした顔で一言。

「打ちどころが悪かったのか」といい、今度は姫ちゃんがわたしにいいこ、いいこと、頭を撫でる。

「これは笑える」

一連の私たちを見ていた香りさんが腹を抱えていた。