杏璃

フワァー

朝、俺が起きると、琴葉がうなされていた。

「大丈夫だ。俺はここに居る」

頭を撫でてやると、すぐに気持ち良さそうに眠る。

琴葉はあの事件のあとから、一人で寝れなくなっていたのだ。
まぁ、おれてきには、朝イチでかわいいかわいい、妹の寝顔を見れるから、
好都合なのだけど。

起きてすぐに、制服に着替えて、髪の毛を整えて、顔も洗うのを、
数秒で、終わらせる。

なぜかと言うと、琴葉が起きた時にそばにいないと、
あいつは、暴れだすからだ。

幼いときのあの事件があったときから、
俺がもっとしっかりしてれば………

ダメだダメだ、琴葉はその時の記憶がないから、
俺が、今度こそしっかりしないと。

そして、この事は、家族と、『季蝶』の幹部しか、知らない。

ジリリリリ……

琴葉が、起きた。

「おはよう琴葉」

琴「おはよう杏璃」

凄く眠そうに答える琴葉、
(か、かわいい!!!!)

俺は、多分シスコンだ、

まだ、寝ようとする琴葉を起こして、
着替えさせた。