私を、好きでいてくれた人


そう思いながら、私は風でなびく髪を耳にかけた。


「早瀬っ」


「え…?」


呼ばれて小林くんの方を向くと、カシャと音が鳴り、小林くんの携帯で私を撮られたようだった。


「えっ!?ちょっと今私撮った?」


「うん、撮った」


「うんって…ヤダよきっと変だよ!消してよっ」


「なんで?結構良く撮れてるよ、光加減はあるけど、ほら」


そう言って小林くんは、撮った写真を見せてくる。


「えー…それでもヤダよ」


「……なんで?いいじゃん、好きな人の写真ぐらい持っておきたいじゃん?」


「……え?」


今……さらっと…なんて言った?


"好きな人”?


私が口を開けずにいると、小林くんは携帯をポケットに戻した。


「これ…あとで送るから」


「いや…そうじゃなくて、今……」


小林くんは視線を正面の海に向けたまま、口を開いた。


「海で告白とか……してみたかったんだよね…俺」


「……告白」


ってことは、やっぱり…さっきのは…。