これって……樹の体に手を回すの?


どうすればいいの……?


「あ、ごめん」


樹は私の手を掴んで腰に手を回す。


「掴まってて」


し、心臓止まりそう……!


隣で莉緒ちゃんが中島くんの背中に顔をつけて震えてる。


絶対笑ってるしぃ……。

中島くんは苦笑いして口パクで頑張れって言ってくる。


私の気持ち、知ってるのかな。


うん、頑張ろう。

樹の背中に抱きつけるなんてなんて私は幸せものなんだ。


そう思っておこう!


「じゃあしゅっぱーつ!」

莉緒ちゃんの掛け声でバイクがゆっくりと動く。



『……キレイ』



流れる景色を見ながら私は樹の背中にしがみついた。