ハヅキの手が私の顎の下に添えられて、わずかに上を向かされる。
すぐに振り払えるくらい弱い力。だけどそうすることもできずに
…ハヅキの目がまっすぐすぎて、逸らせない。
「…なんで人のモノになっちゃうかなぁ…」
「は、づき…」
「小さい頃のさぁちゃんにムカついてたのホントだよ。
いつも偉そうで俺のこといじめてて、そんなさぁちゃんを泣かせてみたかったのも本音、でも」
わずかにハヅキの手に力がこもる。
「実際に会って、触れたら…
泣き顔以外にもっといろんな顔見たくなった。
笑った顔とか幸せそうな顔とかも見たくなった。
でもそんな顔させられんのは…やっぱ俺じゃねーんだよ」



