…和原京星はこういう男だ。 いつも俺がいちばん言いたくて、言いたくないことをいとも簡単に言う。 俺が欲しい“いちばん”を簡単に掻っ攫っていく男。 「…ははは…」 うまく、笑えているだろうか。 でも俺は、こうでもしないとこんなとき、どんな顔をするべきかすら分からない。 「キョーセーくん、それは到底、ムリな話だね?」 それだけ言って、あいつの返事は待たず、教室を出た。