「あの、ハヅキ…その辺にしといた方が」
「なんか言・っ・た?」
コワイ。
ハヅキの笑顔がいつもの100倍こわい。
ま、まってまってまって、マジ痛いマジで無理!!と悲鳴をあげる1年男子くんを冷ややかな、でも楽しそうな笑みを浮かべて見下ろしている。
「あはは。人間の腕ってさ、どこまで曲げたら折れるんだろーね?」
だからコワイってー!!
「や、やめてマジで折れるよ!?」
ひねりあげているハヅキの腕をつかむと、ふっとハヅキの腕から力が抜けた。
解放された1年男子が飛び退くように立ち上がって、ダッシュで教室を出ていく。
でもハヅキはもうそれに何の興味もないようで。
「……ねぇ」
かわりに、私の腕をつかんだ。



