――あっという間に食べ終えてしまった。
「ふー、お腹いっぱい…!」
今日の夕飯食べられるかなぁ、なんて幸せな心配をする私の前で京星くんがチラ、とお店の壁にかけられた時計に目をやった。
「紗英、まだ時間ある?」
「んー?うん。まだ大丈夫だよ」
「じゃー今度は俺の行きたいとこ、付き合って」
パンケーキのお店を出て、京星くんに連れてこられたのは。
「…わ…綺麗…」
プラネタリウムだった。
背もたれが大きく倒れた椅子に寝転がる私の目前には、広大な星空。
「だろ?」
隣に座る京星くんの声は得意気だ。
「こんな所にあったんだぁ、プラネタリウムなんて」
来るの、小学生とかぶりかも。
「ちっさいけどな」
京星くんも今、わたしと同じ星空を見上げてるんだなぁ。なんか、吸い込まれそう…。