もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】






授業が終わった瞬間、京星くんはバタッと机に倒れ込んで再び爆睡しはじめた。




こんなに眠れるの、ある意味すごい。部活でよっぽど疲れてるのかなぁ。




…あ。頭にゴミ、ついてる。





手を伸ばして取ってあげようとした、瞬間だった。





「あのさぁ」




パシッと伸ばした私の腕をつかんで見下ろすハヅキ。い、いつの間に!?





「な、なに」



「話あるんだけど。ちょっと顔かして?」





ニッコリ笑うハヅキ。



ハヅキが話、って。絶対ロクなことない。






「いやです」




というわけで拒否した。





「話あるんならここですればいいじゃん。ってか手離してってば、っ、」




ギリ、とハヅキの手に力がこもった。痛い。





「だからー」




ニコニコした表情と反比例してどんどん私の腕をつかむ力が強まっていく。





「ゴチャゴチャ言ってねぇで顔かせよ?」





そして強引に私の腕を引っ張った。





「ちょっ、痛!」





机の足にスネを強打!でもハヅキは止まってくれない。




「待ってってば!ちょっと!?」





ハヅキの強い力に引っ張られるまま、教室を後にした。