「で?やるなら、名前くらい教えてよ」
「雅也」
マサヤ?
「で?お前の名前は」
「ミユキ」
「ミユキか」
偽名を使うことにしよう
だって、嘘か本当かわからないもの
「マサヤは、元に戻ったら、あたしをどうする気?」
「捨てる」
「そう」
なら良かったわ
「もう1つ元に戻る方法は?わかっているのでしょう?」
「女からの愛だ」
女からの、愛?
馬鹿馬鹿しい
「あんたがあたしを好きになる方が先になるかもしれないし
あたしが先に好きになるかもしれない
そういう事でもいいのね?」
「あぁ」
にしても、汚い部屋
「いいわ。じゃあ、明日からゲーム感覚で
行きましょうか」
どっちが好きになってもおかしくない
危険なラブトリック
「いいだろう」
「じゃあ、帰るわ」
「この屋敷から出るなよ?」
その言葉だけを聞き
バカでかいドアを閉めた



