電話を終えた夕葉が嬉しそうに
戻ってきた

「返事は?」

「明日、また、会いに来てくれるって」

「良かったね?」

夕陽は嬉しそうだったけど、嬉しそうじゃない顔

「夕陽?」

「んー?」

やっぱり気のせいだったのかな?

「何でもない」

「そっか」

悪阻もそんなに酷くない夕陽は
調子もいいようで

「夕葉。子供が生まれたら、思いっきり食べに行こうね」

「うん」

今は、お腹の子供が優先だから
出来ることが限られてるけど

「夕陽。一緒にお店を開かない?」

「え?」

「ずっと、思ってたの。夕陽は計算も早いし
ショップ店員もやってるから。」

「いいけど、男どもは、それを賛成してくれると思う?」

翔は、賛成してくれそうだけど

「颯は無理でしょう?」

「でもっ」

「話しては見るよ。空いてる場所があるのも知ってるし
そこに出したい話をしてみる」

「夕陽・・・」

「だけど、夕葉の婚約がすんでからの話ね?

「婚約じゃなくて、結婚」

「あれー?ゆーひちゃんだ」

「桜。ごめん起こしちゃった?」

「んーん。おといれ」

「行っておいで。ここにいてあげるから」

「うん」

眠そうに眼をこすりながら行く桜は
どこかに必ずぶつかりそうになっている

「私がついてくからいいよ」

ついて行っちゃった夕陽に
しがみついている桜を見ると、駄々をこねた子供みたいで