あなただけ見つめてる

「この子ね?プロポーズされたんですって。
日中の海で」

「あら、羨ましい」

え?

「颯なんて、自分がとってた部屋の中よ?
雰囲気なんてあったもんじゃなかったわ」

あらら

「でも、受けるんでしょ?」

「悩んでる」

「何を悩むのよ?」

「私ね?翔に、私と私の子供と一緒に
明るい家庭を築きたいって言ってくれたの嬉しかった。
翔の将来に、私がいるんだって」

「まぁ、うん」

「だけど、子供が「子供はね?嫌いなのはしょうがない。
でもさ、できないうちから、愛せるかわからないなんて言ったら
それは、翔を傷つけてるよ」

あっ

「大丈夫。夕葉なら、愛せるよ」

「え?」

「だって、デザイン学校卒業して
大きなデザイナーショップに入って
ちゃんと、子供服考えてくれてるじゃん」

「うん」

「妹たちが生まれてからだよね?デザイナーになるって
決めたの」

「うん。蘭が生まれてから」

「どう思った?」

「どうって?」